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世界の20億人が鉄不足

現在、世界の20億人が鉄分不足であると言われています。

中でも特に酷いのが、日本人女性の鉄不足です。

ある調査によると15-50歳までの女性のうち、約80%が鉄不足であると言われています。

 

しかし、鉄不足だと何が問題になるのでしょうか?

 

少しくらい貧血でも、生活には支障をきたさないですし、女性だとちょっとか弱く見られたりして、特に気にしない女性もいるかもしれません。

しかし、鉄不足が民族の繁栄を脅かすということを知れば、あなたは鉄のサプリメントを買わずにはいられなくなります。

貯蔵鉄(フェリチン)とは?

体は常に鉄を貯蔵しています。そして必要なときに血液に鉄分(血清鉄)を放出し、血液中の鉄量を最適化するメカニズムを持っています。

この鉄を貯蔵するタンパク質がフェリチンであり、肝臓や脾臓、心臓などに存在しています。

また血液中にもわずかながらこのフェリチンが存在しており(血清フェリチンという)、これが1ng/ml存在すれば、貯蔵鉄8~10mgに相当すると言われています。

つまり、この量を調べることによって、身体の貯蔵鉄の量を調べることができるのです。

 

フェリチンの基準値は、日本人男性で 20~250ng/mL 、女性で 5~120ng/mLとされていますが、この基準値が低すぎるという意見も多数存在します。(欧米の基準値は100ng/mLであり、それ以下は鉄不足)

特に女性は月経により、男性よりも多くの鉄分が排出されます。

日本人女性(15-50歳)の80%が、フェリチン濃度が30ng/mLであったというデータもあります。

 

鉄分が少ないとどうなるのか?

鉄分が少ないと身体にはどのような症状が現れるのでしょうか?

一般的に言われるのが、いわゆる貧血の症状であり、立ちくらみ、寝起きが悪い、風邪をひきやすい、疲れやすい、むくみやすい、便秘や下痢になりやすい、食欲がでない、冷え性、髪の毛が抜けやすい、イライラしやすい、湿疹ができやすい、肩こり、腰痛、背中の痛み

等があげられます。

しかし、女性において最も重要なのは妊娠してからの鉄不足です。

一回の出産でフェリチンが50低下する

生まれたての新生児や胎児はまだ消化器官が発達しておらず、鉄を消化・吸収することができません。

だから母乳にもほとんど鉄分は含まれていません。

しかし、子どもの成長には鉄分が必要です。では、どうやって鉄を吸収するのでしょうか?

実は、お母さんの体から出てくるときにお母さんの貯蔵鉄を少し分けてもらって生まれてくるのです。

新生児のフェリチンの平均が200~300程度であることから、かなりの鉄をもらってくるのです。

お母さんは、新生児にかなりの鉄分を与えてしまったことにより、出産後の母体の貯蔵鉄は大きく減り、フェリチンが50程度低下するといわれています。

もし出産前にフェリチンが50以下であった場合はどうなるのでしょうか?

産後に鉄が枯渇し、鉄欠乏性貧血産後うつ病の原因になると言われています。

また産後うつ病からパニック障害にまで発展する女性も存在し、これも鉄不足との関係が認められています。

女性は出産前に、いや妊娠前にフェリチンを確実に高めておく必要があるのです。

先住民族の知恵

多くの先住民族では、妊娠する前の女性に対し、約6ヶ月程度の期間、その民族の特別な食事が与えられます。

内陸の地域に住む民族であれば動物の内臓、海に近い地域に住む民族であれば魚介類や魚の目、蟹などです。

これらの栄養素をプランク博士が調べたところ、驚くことに民族は違っても栄養素はほぼ共通しており、鉄分ビタミンAが豊富であることが分かったのです。

ウェストン・A・プライス博士の『食生活と身体の退化』

先住民族は出産に鉄分とビタミンAが必要だという知識は持っていません。

しかし、民族の世代間でそのような知恵がきちんと受け継がれ、民族が存続していったのです。

これは決して偶然ではなく、人間が繁殖していくために必要な知恵なのです。

また、多くの民族では、一度目の出産から次の出産までの間隔が厳格に定められており、短いところでも2年半、長いところでは4年程度の間隔が必要であるとされています。

鉄は非常に吸収が難しい栄養素であり、母体が失った鉄分を取り戻すには、それくらいの期間が必要であることを先住民達は経験的に知っていたのです。

現代人の無知

しかし、現代の人間は出産に鉄分が必要であることをほとんど知らずに妊娠してしまいます。

そして、二人目も自分の都合で勝手に妊娠します。

こうして、鉄分不足の女性や子どもがどんどん増えていっているのです。

鉄分が不足したまま生まれてきた子どもは、不正咬合(歯並びが悪くなる)、多動やADHD、LD(学習障害)になりやすいと言われています。

以前、こちらの記事にも書きましたが、子どもの一時反抗期、いわゆるイヤイヤ期も鉄不足が一つの要因であるといわれています。

子どもの成長にイヤイヤ期は本当に必要?

貯蔵鉄(フェリチン)を増やすにはどうすればよいのか?

肉が鉄分を増やす基本の食事

では、具体的にどのようにしたら貯蔵鉄(フェリチン)を増やすことができるでしょうか?

 

食べ物に含まれる鉄分には、非ヘム鉄ヘム鉄とよばれる二種類があります。

非ヘム鉄は3価の鉄錯体であり、植物性食品や卵に多く含まれています。

一方のヘム鉄は2価の鉄錯体であり、動物性食品に多く含まれています。

 

私達はそれぞれの詳細な分子構造を知る必要はありません。

私たちが知っておくべきことは、非ヘム鉄は摂りこんだうちの2-5%しか吸収できず、ヘム鉄で10-30%程度であるということです。

 

たとえば、鉄分を多く含む食品としてあげられる鶏レバーを100g食べたとすると、約10mgの鉄分を摂取することになります。

しかし、実際に身体に吸収されるのは、1-3 mg(ヘム鉄)です。

 

一般的な男性で一日に1 mg、女性で1.5 mgの鉄が排泄されると言われています。

つまり、鉄分を多く含むといわれる鶏レバーを毎日食べて、ようやく排泄される鉄分に追いつくか追いつかないかというレベルなのです。

それくらい、鉄分の体内への貯蔵というのは難しいのです。

 

特に日本人は、肉を食べることに罪悪感を持つことが多く、その結果、欧米に比べ鉄不足の人が多くなっていると言われています。

それだけに、まずは肉、特に豚肉をしっかりと食べることが必要です。その上で、サプリメント等による経口投与を行います。

鉄の過剰摂取が気になる方もいるかもしれませんが、経口投与による鉄分摂取では、必要な量だけが鉄分を輸送するタンパク質トランスフェリンと結合します。

それ以上の鉄が入ってきても自然に体外に排出されるため、経口投与では鉄過剰症にはなりません。

フェリチンが100以上になるまでは継続してサプリメント等の経口投与を続けましょう。

まとめ

世界中で鉄不足が騒がれており、各国で色んな対策が進められています。

たとえばアメリカでは以前から小麦粉やとうもろこし粉、砂糖、食塩、シリアルなどに鉄分が添加されており、中国、ベトナム、タイは鉄を添加した醤油が学校給食にに取り入れられたりしています。

しかし、日本では全く対策が行われていません。

なんと個人の責任に委ねられているのです。

しかし、その結果、産後うつ病が増え、子どもの貧血、ADHD、LDが増えています。

また、イヤイヤ期で悩むお母さんも昔に比べ相当増えているといえます。

鉄不足は子孫の繁栄を脅かす非常に大事な栄養素であることを先住民族は知っています。

我々もこの重要性を認識し、まずは私達の鉄分を取り戻し、その上で子ども達に伝えていかなければなりません。

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